工場・製造業(技術職)で役立つ資格の効果的な組み合わせとメリットを紹介!

工業系技術資格の効果的な組み合わせとメリット

就職や転職、スキル・キャリアアップを目指して資格の取得をお考えの方は多いかと思います。ですが、今の時代、難関資格の士業や師業であっても同じ資格の取得者=ライバルが多いため、残念ながら難関資格ひとつで一生安泰できる時代ではなくなりました。

そこで、これからの時代に必要なのが、複数の資格を持つ=資格の組み合わせ(ダブルライセンスやトリプルライセンス)です。ひとつでは平凡な資格でも、それらを組み合わせることで人材市場での自分の価値を高めたり、独創的な個性を表現してアピールしたりすることができます。

しかし、資格であれば何でも取得すればいいというわけではありません。特に、工場・製造業、建設現場などで役に立つ工業系や技術系の資格について、具体的にどの資格を取ればよいのかお悩みの方も多いのではないかと思われます。

今回は、工場・製造業、建設現場などで役に立つ工場・製造業(技術職)の資格について、これからの時代に役に立つ資格の組み合わせ方や効果的な組み合わせパターンをメリットとともに紹介します。

(関連記事)資格の効果的な組み合わせで転職やキャリアアップの可能性を広げよう!

↑↑こちらの関連記事↑↑では、複数の資格を持つメリットやこれからの時代に役に立つ効果的な資格の組み合わせなどついて紹介しています。よろしければ、こちらも参考にして下さい!

この記事の解説ポイント!
  • 工場・製造業(技術職)の資格の効果的な組み合わせ方
  • 工場・製造業(技術職)の資格の組み合わせパターンとメリット
  • 工場・製造業(技術職)で有利になるその他の資格

資格の組み合わせで注意すること

工場・製造業(技術職)の資格に限らず、資格の組み合わせのパターンは無限にあります。また、資格の組み合わせには、こうと決まったパターンはありません。しかし、資格は取得するだけでなく、取得してからどのように活かすのかが重要です。さらに、これから取得しようとする資格は、自分の業界や専門分野、これまでのキャリアなどと一致していなければ、その資格は真価を発揮することが困難です。

そのため、これから取得を目指す資格は、自分のキャリア目標や業界で求められるスキルに沿った適切な資格を選択することが重要です。

工場・製造業(技術職)の資格の組み合わせで注意すること

キャリア目標や業界で求められるスキルに沿った適切な資格を選択することが重要!

工業系や技術系の資格の組み合わせで注意すること

工場・製造業(技術職)の資格の効果的な組み合わせ方

資格の効果的な組み合わせ方には、エキスパートを目指して自分の専門分野の資格を取得していく組み合わせ方と、業務分野の拡大を目指して関連する異なる分野の資格を取得していく組み合わせ方の2つの方法があります。

専門性を高めて唯一無二の存在を目指すのか、または幅広いニーズに応えられる存在を目指すのかは自由です。しかし、どちらの方法の場合でも、自分のキャリアや自分が今持っている資格をベースに取得する資格を選択し、キャリアアップを目指していくのが効率的です。

■専門分野の資格の組み合わせ

エキスパートを目指して自分の専門分野の資格を取得していく方法です。専門性を高めることで希少性と市場価値が高まり、唯一無二の希少な存在として重宝されます。

■関連する異なる分野の資格の組み合わせ

関連する異なる分野の資格を取得して、相互補完で業務分野を拡大する方法です。業務分野を拡大することで幅広いニーズに応えることができる上に、複数の資格の関連する業務をワンストップで提供できるため、同じ資格の取得者と差別化することができます。

工業系や技術系の資格の効果的な組み合わせ方

工場・製造業(技術職)の資格の効果的な組み合わせパターンの紹介

業界や業種によって必要となる資格の種類はさまざまです。また、近年ではITやAIなどを中心に新しい分野での資格が続々と誕生しており、これまでよりも資格の選択肢が大きく増え、より独創的で個性的な資格の組み合わせが目指せるようになってきました。

ここでは、工場・製造業(技術職)の資格の効果的な組み合わせについて、現在でも十分に活躍することができる王道のパターンのものについて、代表的なものをいくつか紹介します。就職や転職、キャリアアップのために資格の取得をお考えの方は、ぜひ参考にして下さい。

危険物取扱者と効果的な資格の組み合わせ

危険物取扱者とは、消防法に基づく危険物の取り扱いに必要となる国家資格です。危険物取扱者は取り扱う危険物の種類によって甲・乙・丙種の3種類あり、さらに乙種は第1類~6類に分類されています。その中で最もニーズがあり汎用性が高いのが、ガソリンや灯油、軽油、重油などの引火性液体の取り扱いができる第4類(乙種第4類、通称 : 乙4)です。

乙4はビルメンテナンス業務だけでなく、化学プラントやガソリンスタンドに勤務する場合にも重宝される人気の高い資格であり、活躍できる範囲も広いため、ダブルライセンスの資格のひとつとしておすすめの資格です。

(参考)一般財団法人消防試験研究センター

危険物取扱者の資格

危険物取扱者+消防設備士

消防設備士とは、消防法で設置や点検が義務付けられている消火器やスプリンクラーなどの消火設備、火災報知器などの警報設備、避難設備といった消防用設備の設置工事や点検・整備ができる国家資格です。消防設備士には取り扱う設備によって甲種と乙種の2種類あり、さらに乙種は第1類~7類に分類されています。

工場などで取り扱いのある危険物に関する危険物取扱者の資格と組み合わせることで、消防用設備に関する専門的で高度な提言が可能となるため、関係消防署などと意思の疎通がはかりやすくなるというメリットがあります。さらに、両者は必要な法や知識での共通点も多く、試験勉強の相性も良いため、組み合わせが良い国家資格といえます。

その他にも、取り扱いの多いガソリンや軽油などの引火性液体に関する危険物取扱者乙種第4類(通称 : 乙4)を取得する場合、活躍の場が大きく広がります。

危険物取扱者+大型免許・大型けん引免許

大型免許・大型けん引免許は、道路交通法で定められた大型トレーラーやタンクローリーの運転に必要な国家資格です。危険物取扱者の資格と組み合わせることで、一般の車両では運べない危険物を大型トレーラーやタンクローリーで輸送・運搬することができます。

専門性が高い資格の組み合わせであるため、特に運送会社や燃料会社などへの就職や転職に有利になります。また、ガソリンスタンドに勤務する場合、乙種第4類(通称 : 乙4)を取得すれば、普通免許でも家庭や工事現場などへ灯油や軽油などを配達することができます。

危険物取扱者と大型免許・大型けん引免許の組み合わせは効果的!

【補足】高圧ガス移動監視者+大型免許・大型けん引免許

大型免許・大型けん引免許と組み合わせることのできる資格には、危険物取扱者以外にも、高圧ガス移動監視者などがあります。高圧ガス移動監視者とは、高圧ガス保安法で定められたLPGや液体窒素などの高圧ガス(圧縮ガス・液化ガス)を輸送・運搬する際に必要な国家資格です。

大型免許・大型けん引免許と組み合わせることで、一般の車両では運べない高圧ガスを大型トレーラーやタンクローリーで輸送・運搬することができます。こちらも専門性が高い資格の組み合わせであるため、特に運送会社や燃料会社、化学プラントなどへの就職や転職に有利になります。

電気主任技術者と効果的な資格の組み合わせ

電気主任技術者とは、電気事業法に基づく電気工作物(特別高圧・高圧の電気設備)の工事、維持及び運用に関する保安監督業務を行うことができる国家資格です。具体的には、電気主任技術者はビルや病院、工場、商業施設などの電気工事の現場における監督や電気設備の保守管理を行います。そのため、一般的によく知られている電気工事を行う電気工事士とは内容が異なります。

電気主任技術者は取り扱う電気設備の規模によって第一種~三種の3種類あり、その中で最もニーズがあるのが第三種電気主任技術者(通称 : 電験三種)です。電験三種は電気主任技術者の資格の中でも最も下位の資格にあたりますが、大規模な施設を除いては、電験三種の資格だけでもかなりの範囲の電気設備の業務を行うことができるため、従来から人気の高い資格であり、ダブルライセンスの資格のひとつとしておすすめの資格です。

(参考)一般財団法人 電気技術者試験センター

電気主任技術者の資格

電気主任技術者+電気工事士

電気工事士とは、電気事業法で定められた電気工事を行うことができる国家資格です。電気工事士には電気工事を行うことができる電気設備の範囲によって第一種と第二種の2種類があります。電気主任技術者の資格と組み合わせることで、電気設備の保守管理だけでなく故障対応(修理)なども行うことができるため、電気設備に関する業務を一手に担うことができます。

とても重宝される人気の高い資格の組み合わせのため、市場のニーズに対応できるだけでなく、さらに、両者は必要な法や知識での共通点も多く、試験勉強の相性も良いため、組み合わせが良い国家資格といえます。将来、電力会社や電気工事会社、ビルメンテナンスなどの設備管理業界を目指す場合におすすめの資格の組み合わせです。

【補足】電気取扱者(高圧又は低圧)の必要性

電気取扱者(高圧又は低圧)とは、労働安全衛生法で定められた電気の取り扱い業務に係る特別教育を修了した者のことで、電気設備の充電電路などの点検や修理、充電部分が露出した開閉器の操作を行うために必要です。この特別教育とは、労働安全衛生法で定められた危険・有害な業務や作業を行う場合に必要な法令で定められた安全衛生教育です。特別教育は各教育機関などで受講することができます。また、事業者(社内)でも実施することができます。

いくら電気に関する資格(電気工事士)を取得していても、電気取扱者の特別教育を受講していなければ、労働安全衛生法で定められた危険・有害な業務や作業(充電部分の点検や修理、操作など)に従事することはできません。万が一、特別教育を受講していないのにも関わらず、労働安全衛生法で定められた危険・有害な業務や作業に従事していることが発覚した場合は法令違反になり、罰則を受ける可能性がありますます。

この特別教育ですが、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止を図るものであるため、基本的には事業者(会社)の責任において労働者に対して実施されなければなりません。

(参考)労働安全衛生法における特別教育について

労働安全衛生法の特別教育とは?
  • 危険、有害な業務や作業に従事する場合に必要
  • 違反すれば罰則を受ける可能性がある
  • 基本的に労働者に対して事業者(会社)が実施する

電気主任技術者+電気施工管理技士

電気施工管理技士とは、建設業法で定められた建造物の建設などに必要な電気工事に関する施工計画や施工図の作成、電気工事における工程・品質・安全管理などの監理を行うことができる国家資格です。電気施工管理技士には監理できる工事規模によって1級と2級の2種類あります。電気主任技術者の資格と組み合わせることで、設計の実現性の検討から施工の品質管理、電気設備の保守管理など、設計と実務の連携をスムーズに行うことができるため、設計段階から運用までの一貫した業務を一手に担うことができます。

電気設備に関する知識と建築や施工管理の知識により、専門領域が大きく広がるため、電気設備の施工や管理に関するニーズの高まりに対応できるだけでなく、他の分野でも幅広い仕事の機会を得ることができます。将来、電気工事会社やゼネコンの監督業務などを目指す場合におすすめの資格の組み合わせです。

電気主任技術者+エネルギー管理士

エネルギー管理士とは、省エネ法で定められた一定規模以上のエネルギーを多く取り扱うビルや病院、工場、商業施設などで、エネルギーの適切な使用方法に関する監視を行うことができる国家資格です。エネルギー管理士のニーズは非常に多く、ビルや工場などだけでなく大手企業においても需要があるため、資格の取得難易度は高いものの、これひとつでもかなり有用な資格といえます。

電気主任技術者の資格と組み合わせることで、エネルギーの供給や利用に密接に関わる電気設備とエネルギー利用の効率化や省エネルギーに関する知識により専門領域が大きく広がるため、より幅広い分野で活躍することができます。将来、工場などの技術職(プラントエンジニア)やビルメンテナンスなどの設備管理業界を目指す場合におすすめの資格の組み合わせです。

(参考)一般財団法人 省エネルギーセンター

電気主任技術者+冷凍機械責任者

冷凍機械責任者とは、高圧ガス保安法で定められた一定規模以上の冷凍設備の保守管理を行うことができる国家資格です(高圧ガス製造保安責任者の資格区分のひとつ)。冷凍設備には、食品などを冷凍保存するための設備だけでなく、ビルや住居の空調設備なども含みます。冷凍機械責任者には、取り扱う設備の規模によって第一種~三種の3種類があり、その中で最もニーズがあるのが第三種冷凍機械責任者です。第三種冷凍機械責任者は冷凍機械責任者の資格の中でも最も下位の資格にあたりますが、大規模な施設を除いては、第三種冷凍機械責任者の資格だけでもかなりの範囲の冷凍設備(主にビルや住居の空調設備)の保守管理を行うことができます。

電気主任技術者の資格と組み合わせることで、電気設備と冷凍設備の連携において綿密かつ効率的な管理を一手に担うことができます。将来、ビルメンテナンスなどの設備管理業界を目指す場合におすすめの資格の組み合わせです。

電気主任技術者+ボイラー技士

ボイラー技士とは、労働安全衛生法で定められた一定規模以上のボイラーの保守管理を行うことができる国家資格です。ボイラー技士には、取り扱うボイラーの規模によって特級~二級までの3種類があります。その中で最もニーズがあるのが二級ボイラー技士です。二級ボイラー技士はボイラー技士の資格の中でも最も下位の資格にあたりますが、大規模な施設を除いては、二級ボイラー技士の資格だけでもかなりの範囲のボイラー(主にビルや住居の給湯設備や空調設備の熱源として利用されるもの)の保守管理を行うことができます。

電気主任技術者の資格と組み合わせることで、電気設備とボイラーの連携において綿密かつ効率的な管理を一手に担うことができます。こちらも、将来、ビルメンテナンスなどの設備管理業界を目指す場合におすすめの資格の組み合わせです。

その他の効果的な資格の組み合わせ

紹介した資格はどれも需要があるニーズの多いものばかりですので、これまで紹介したパターンにこだわらずに取得して組み合わせても有用です。また、これまで紹介した資格の組み合わせパターンは、昔から存在している現在でも十分に活躍できる資格の組み合わせの王道のものばかりですが、ほんの一例に過ぎません。紹介した資格の組み合わせ以外にも多くの資格の組み合わせパターンが存在するため、資格の取得や組み合わせを考える時は、自分の業界や専門分野で求められるスキル、将来のキャリア目標に応じた適切な資格を選択することが重要です。

適切な資格の組み合わせにより、総合的な技術力の向上や業務の統合による効率化、専門領域の広がりなど多くのメリットが得られます。また、ニーズに対応できるだけでなく、他の分野においても幅広い仕事の機会(キャリアアップのチャンス)を得ることができます。

効果的な資格の組み合わせで大切なこと

工場・製造業(技術職)で有利になるその他の資格

これまで紹介した資格以外にも、需要があるニーズの多い工業系や技術系で有利になる資格は多くあります。工場・製造業(技術職)で有利になるその他の資格には、主に以下のようなものがあります。

工場・製造業(技術職)で有利になるその他の資格
  • ガス主任技術者
  • 高圧ガス製造保安責任者
  • フォークリフト運転技能者
  • 玉掛技能者
  • クレーン運転士
  • 有機溶剤作業主任者
  • 特定化学物質等作業主任者業

これらの資格は取得しておくと人材市場での自分の価値を高めることができ、これまで紹介した同じ資格の取得者=ライバルと差別化して、評価されやすいメリットがあります。

工場・製造業(技術職)で活躍できる資格や免許

ガス主任技術者

ガス主任技術者とは、ガス事業法に基づくガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安監督業務を行うことができる国家資格です。あまり聞かない資格ですが、言わば電気主任技術者と対をなすガス分野での資格であり、ここでのガスとは都市ガスやLPガス(プロパンガス)などの一般家庭から工場、商業施設などで使用される燃料ガス、ガス工作物とはガスの製造から供給までの全過程に関わるガス設備(ガスの製造設備や導管など)を指します。

ガス主任技術者は扱うガス設備の規模(圧力)によって、甲種~丙種の3種類あります。電気主任技術者と同様に取得難易度が高く専門性も高い資格であるため、主にガス会社やガス工事を行う会社などへの就職や転職に有利になります。また、電気主任技術者のように他の資格と組み合わせることで専門領域が大きく広がるため、ダブルライセンスの資格のひとつとしておすすめの資格です。特に、電気主任技術者などの電気関係の資格などと組み合わせることで、インフラ設備(電気&ガス)の施工や管理に関するニーズの高まりに対応できるだけでなく、多くの分野で幅広い仕事の機会を得ることができます。

高圧ガス製造保安責任者

高圧ガス製造保安責任者とは、高圧ガス保安法に基づく高圧ガスを取り扱うための国家資格です。具体的には、高圧ガス製造保安責任者は高圧ガスの製造や取り扱いのある会社、石油化学プラント、ガススタンドなどで、高圧ガスに関する設備の工事、維持及び運用に関する保安監督業務を行うことができます。なお、上記で紹介した冷凍機械責任者は高圧ガス製造保安責任者の資格区分のひとつです。

高圧ガス製造保安責任者は取り扱う高圧ガスの規模や業務範囲によって、化学及び機械の分野(甲種~丙種の3種類)、冷凍機械の分野(第一種~三種の3種類)あります。また、資格の種類によっては、上記で紹介した高圧ガス移動監視者の上位の資格にもあたります。

高圧ガスは多くの分野で取り扱いがあるため、高圧ガス製造保安責任者は幅広い分野で活躍することができます。さらに、他の資格と組み合わせることで専門領域が大きく広がるため、ダブルライセンスの資格のひとつとしておすすめの資格です。

フォークリフト運転者

フォークリフト運転者とは、労働安全衛生法で定められたフォークリフト運転技能講習(最大積載荷重量が1トン以上)、またはフォークリフト運転特別教育(最大積載荷重量が1トン未満)を修了した者のことです(国家資格)。フォークリフトは工場や倉庫での運搬作業などに多く使われる車両であり、工場内や敷地内での運転であっても資格が必要です。フォークリフト運転者のニーズは非常に多く、需要があるためおすすめです。

玉掛け作業者

玉掛け作業とは、クレーンなどで荷物を吊り上げる時に、クレーンなどに荷物を掛け外しする作業のことです。玉掛け作業者とは、労働安全衛生法で定められた玉掛け技能講習(吊り上げ荷重1トン以上)、または玉掛け特別教育(吊り上げ荷重1トン未満)を修了した者のことです(国家資格)。玉掛け作業は多くの工場や現場で必要になる作業であるため、ニーズは非常に多く、需要があるためおすすめです。

クレーン運転士

クレーン運転士とは、労働安全衛生法で定められたクレーン運転士免許試験(学科及び実技)に合格し免許の交付を受けた者、一定の規模以下のクレーンについて技能講習または特別教育を修了した者のことです(国家資格)。玉掛け作業と同様にクレーンの操作は多くの工場や現場で必要になる作業であるため、ニーズは非常に多く、需要があるためおすすめです。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者とは、労働安全衛生法で定められた有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のことです(国家資格)。有機溶剤を使用する工場や現場では、有機溶剤による身体的な被害を防止するため、有機溶剤作業主任者の有資格者が現場の監督をしなければなりません。有機溶剤は主に塗料などに使用されて(含まれて)おり、取り扱う工場や現場も多いため、有機溶剤作業主任者も需要があるためおすすめです。

特定化学物質等作業主任者

特定化学物質等作業主任者とは、労働安全衛生法で定められた特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者のことです(国家資格)。有害性が認められる化学物質を扱っている工場や現場では、化学物質による身体的な被害を防止するため、特定化学物質等作業主任者の有資格者を配置する義務があります。有機溶剤作業主任者と同様に需要があるためおすすめです。

化学物質管理者講習←注目!

労働安全衛生法で定められた化学物質(爆発や引火の危険並びに労働者の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるもの=リスクアセスメント対象物)を製造する工場では、化学物質の適切な管理のため、化学物質の管理に関する専門的講習(化学物質管理者講習)を修了した者の中から化学物質管理者を配置する義務があります(現状、化学物質管理者講習は化学物質の安全な管理に関する知識や技能を習得するための講習=教育という位置付けであるため、講習を修了しても国家資格の扱いにはならないことに注意!)。また、近年の労働安全衛生法の改正によって、それらの化学物質を取り扱う工場や現場(製造する工場以外)でも、化学物質管理者の配置が義務化されました。ただし、こちらに関しては特に選任要件(資格や講習の修了の有無などの条件)がないため、専門的講習(化学物質管理者講習)を修了する必要はありません。しかし、労働安全衛生法の改正による義務化により最近特に注目されており、講習を修了することで重宝されるため、活躍の場が大きく広がり、幅広い仕事の機会を得ることができるのでおすすめです。

保護具着用責任者教育←注目!

上で紹介した化学物質管理者講習に関連しますが、労働安全衛生法で定められた化学物質を取り扱うすべての工場や現場(製造する工場も含む)では、労働者の健康を守るために、取り扱う化学物質に対して適切な保護具を労働者に着用させる義務があります。そして、その際に使用される保護具の適切な管理のために、保護具着用責任者を配置する義務があります。ただし、保護具着用責任者に関しては特に選任要件(資格や講習の修了の有無などの条件)がないため、専門的講習(保護具着用責任者教育)を修了する必要はありません(こちらも、現状、保護具の適切な管理に関する知識や技能を習得するための講習=教育という位置付けであるため、講習を修了しても国家資格の扱いにはならないことに注意!)。しかし、こちらも労働安全衛生法の改正による義務化により最近特に注目されており、講習を修了することで重宝されるため、活躍の場が大きく広がり、幅広い仕事の機会を得ることができます。さらに、今後の労働安全衛生法の改正によっては、講習の修了が保護具着用責任者の選任要件となる可能性もあるためおすすめです。

工場・製造業(技術職)の資格の効果的な組み合わせのまとめ

今回は、工場・製造業、建設現場などで役に立つ工業系や技術系の資格について、これからの時代に役に立つ資格の組み合わせ方や効果的な組み合わせパターンをメリットとともに紹介しました。

ここで紹介した資格の組み合わせは一例に過ぎませんが、資格の組み合わせによって自身の専門性を高めたり幅広いスキルを持つことで、多様なチャンスを得ることができたり様々な職種で幅広い活躍をすることができます。

工場・製造業(技術職)の資格に限らず、資格の組み合わせのパターンは無限にあり、資格の組み合わせにも、こうと決まったパターンはありません。しかし、資格は取得するだけでなく、取得してからどのように活かすのかが重要です。業界によって求められる資格は異なるため、自分の進むべきキャリアや目指す職種に合わせて適切な資格を選びましょう!

自分の進むべきキャリアや目指す職種に合わせて適切な資格を選びましょう!