転職やスキルアップ、キャリアの幅を広げるために資格の取得をお考えの方は多いかと思います。しかし、具体的にどの資格を取ればよいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか?今の時代、難関資格の士業や師業であっても、同じ資格の取得者=ライバルが多いため、残念ながら難関資格ひとつで一生安泰できる時代ではなくなりました。
そこで、これからの時代に必要なのが、複数の資格を持つ=資格の組み合わせ(ダブルライセンスやトリプルライセンス)です。ひとつでは平凡な資格でも、それらを組み合わせることで人材市場での自分の価値を高めたり、独創的な個性を表現してアピールしたりすることができます。しかし、資格であれば何でも取得すればいいというわけではありません。
今回は、複数の資格を持つメリットやこれからの時代に役に立つ効果的な資格の組み合わせになどついて紹介します。
(参考記事)工業系や技術系の資格の効果的な組み合わせとメリットを紹介!
↑↑こちらの関連記事↑↑では、工場勤務・製造業、建設現場などで役に立つ工業系や技術系の資格について、効果的な資格の組み合わせ方や組み合わせパターンをメリットとともに紹介しています。よろしければ、こちらも参考にして下さい!
- 複数の資格を組み合わせるメリット
- 資格の効果的な組み合わせ方
- 資格の効果的な組み合わせパターンの紹介
- 資格の組み合わせで注意すること
- 効率的な資格の取り方の紹介
- 効果的な学習教材や学習方法の紹介
- これからの時代に役立つ資格の紹介
- 自分に合った資格の選び方
- 資格の効果的な組み合わせのまとめ
記事本編
複数の資格を組み合わせるメリット
複数の資格を組み合わせるメリットですが、最初にも少し触れましたが、人材市場での自分の価値を高めたり、独創的な個性を表現してアピールしたりすることができます。さらに、資格の組み合わせにより同じ資格の取得者=ライバルと差別化を図り、人材市場を一歩リードすることができます。
複数の資格を持つ=資格を組み合わせることをダブルライセンス、トリプルライセンスなどといいますが、これを具体的に紹介すると、まず「税理士+社会保険労務士」のダブルライセンスがあげられます。取得の難度がかなり高い難関な国家資格の組み合わせですが、これは王道の資格の組み合わせです。税理士は税金や税務の専門家であり、社会保険労務士は年金や公的保険、労働法の専門家です。この二つの資格があれば、会社のお金に関わる大半の業務をカバーすることができます。国家資格という括りの中で独占業務の多くを担うことができるため、会社で重宝されるだけでなく、これらの資格の上に経験とスキルを身に付ければ独立開業することも夢ではありません。
資格の組み合わせは難関な国家資格ばかりだけではありません。例えば「カラーコーディネーター+インテリアコーディネーター」があります。カラーコーディネーターは色彩に関わる専門家であり、インテリアコーディネーターは内装材やインテリアなどの専門家です。インテリアの仕事をする際は、それぞれの場所に合わせた色や光によって居心地の良い空間をつくることが求められます。そのため、インテリアともつながりの深い色彩に関する資格を組み合わせることで、顧客からの信頼を獲得しやすくなり仕事の幅も大きく広がります。
また、ユニークなものでは難関な資格と趣味や特技、または関心事の資格の組み合せがあります。例えば「ファイナンシャルプランナー(FP)+野菜ソムリエ」などです。FPは保険や金融などのお金に関する資産運用の専門家であり、野菜ソムリエは野菜や果物の知識を身につけ、そのおいしさや楽しさを理解し伝える専門家です。ライフプランの設計を行う資産運用の専門家と野菜や果物の専門家という、一見関係が無く無意味な資格の組み合わせに見えますが、野菜ソムリエが話題のスパイスになるため、顧客に覚えてもらいやすいというメリットが生まれます。このように、資格の組み合わせ次第で新たな個性が生まれる場合があります。
資格の効果的な組み合わせ方
資格の効果的な組み合わせ方には、エキスパートを目指して自分の専門分野の資格を取得していく組み合わせ方と、業務分野の拡大を目指して関連する異なる分野の資格を取得していく組み合わせ方の2つの方法があります。どちらの方法の場合も、自分のキャリア目標や業界で求められるスキルに沿った適切な資格を選択することが重要です。
また、自分が今持っている資格をベースに自分のキャリア目標にある資格を取得しながらキャリアアップを目指していくのが効果的です。資格の組み合わせには、こうと決まったパターンはありません。専門性を高めて唯一無二の存在を目指すのか、または幅広いニーズに応えられる存在を目指すのかは自由です。
専門分野の資格を取得する組み合わせ方の特徴
エキスパートを目指して自分の専門分野の資格を取得していく方法です。専門性を高めることで希少性と市場価値が高まり、唯一無二の希少な存在として重宝されます。
関連する異なる分野の資格を取得する組み合わせ方の特徴
関連する異なる分野の資格を取得して相互補完で業務分野を拡大する方法です。業務分野を拡大することで幅広いニーズに応えることができる上に、複数の資格の関連する業務をワンストップで提供できるため、同じ資格の取得者と差別化することができます。
資格の効果的な組み合わせパターンの紹介
近年ではトレンド(時代の趨勢、流行り)が大きく変化してきており、従来のデジタルマーケティングやグローバルビジネス等の分野だけでなく、ITやAIなどの新しい分野での資格が続々と誕生しています。さらに、ライトでユニークな資格も増えてきているため、これまでよりも資格の選択肢がグッと増え、自分のキャリアだけでなく趣味や特技、または関心事などに一致した、より独創的で個性的な資格の組み合わせが目指せるようになってきました。
ここでは、資格の組み合わせの参考に、昔から存在している王道のパターンのものから最新の使えるパターンについて、代表的なものをいくつか紹介します。
税理士+社会保険労務士
上記でも紹介した資格の組み合わせの王道パターンのひとつです。税理士は税金や税務の専門家であり、社会保険労務士は年金や公的保険、労働法の専門家です。会社の経営に無くてはならない税金と社会保険の業務をワンストップで請負うことができるため、特に経理や人事部門がない中小企業において重宝されます。
ファイナンシャルプランナー(FP)+中小企業診断士
これも金融業界では人気の資格の組み合わせのパターンのひとつです。ファイナンシャルプランナー(FP)は保険や金融・資産運用などのお金に関する専門家であり、中小企業診断士企業は企業の経営に関する診断や助言を行う専門家(経営コンサルタント)です。
FPの顧客は個人が多く、中小企業診断士の顧客は企業が多いため、両者は同じアドバイザー業務ではありながら主な顧客が違います。しかし、企業と個人の両面から事業計画の立案をすることができるため、幅広い視点からコンサルティング業務をスムーズに遂行できるというメリットがあります。
ファイナンシャルプランナー(FP)の汎用性について
ファイナンシャルプランナー(FP)はビジネスだけでなく資産運用に関心のある方などを中心に、近年、特に人気のあるトレンドの資格です。FPは保険や金融・資産運用などのお金に関する豊富な知識を持ち、幅広い視点から目標のライフプランを実現させるための提案やアドバイスを行う専門家です。
FPはあらゆる業種で活用できる汎用性が高く、上記の中小企業診断士だけでなく税理士や宅地建物取引士(宅建士)など、様々な分野の資格との組み合わせが有効です。FPの資格の取得を目指すのであれば、まずは3級を取得し、徐々にステップアップして2級以上の取得を目指していくのがおすすめです。
FPと効果的な資格の組み合わせ
■FP×保険募集人資格=保険に特化したFP
保険募集人資格とは、保険の募集に必要な知識を習得した保険の専門家です。保険商品を活用した資産運用のアドバイスをトータルで対応できます。
■FP×相続診断士=相続に特化したFP
相続診断士とは、相続の知識をもった相続問題の専門家です。相続トラブルや相続にまつわるお金の悩みを解決できます。
■FP×宅地建物取引士(宅建士)=不動産に特化したFP
宅地建物取引士とは、不動産取引の専門家です。マイホームの購入などマネープランと密接な関わりのある不動産取引や投資を含めたアドバイスをトータルで対応できます。
■FP×税理士=税務に特化したFP
税理士とは、税法に精通した税金・税務の専門家です。相続税対策や事業承継のアドバイスをトータルで対応できます。
ここにあるFPとの資格の組み合わせのパターンは一例に過ぎません。これ以外にもFPとの資格の組み合わせのパターンは豊富で、関係する分野も多岐にわたります。しかし、一方でFPは人気があり市場に飽和しているため、FPだけでは同じ資格の取得者=ライバルとの差別化が難しく、顧客や評価を獲得することが難しいともいえます。
そのため、資格の組合せで特定の業務や分野に特化し、差別化をアピールする戦略が必要になります。FPをベースにダブルライセンスやトリプルライセンスを目指していけば、人材市場での自分の価値が高まり、仕事の幅も大きく広がるでしょう。
宅地建物取引士(宅建士)+行政書士
宅地建物取引士(宅建士)は不動産取引の専門家であり、行政書士とは行政に提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続に関する業務の専門家です。不動産取引では行政への許可や申請が必要な場合も多いため、不動産取引時の行政手続を合わせた業務をワンストップで請負うことができます。
鉄板資格+ユニーク資格
自分のキャリアに一致した難関な資格(鉄板資格)と趣味や特技、関心事などの資格(ユニーク資格)を組み合せることで、鉄板資格で特定の業界に強みをアピールしつつ、ユニーク資格で自分らしさを表現することができます。ユニーク資格が話題のスパイスになり顧客に覚えてもらいやすく、同じ資格の取得者や同業者=ライバルと差別化を図ることができます。
ユニークな資格一覧
■ご当地検定
地方自治体などが主催している全国の地域の歴史や文化、その土地の有名な産物などに関する知識の理解度を判定する検定試験。
■鉄道マイスター検定
鉄道に関する趣味知識の量を測る検定試験。
■腸活アドバイザー
腸活食・発酵食、腸の動きを活発にするエクササイズなどの知識とスキルをもつ専門家。
■野菜ソムリエ
野菜や果物の知識を身につけ、そのおいしさや楽しさを理解し伝える専門家。
■ペット介護士
老犬・老猫といったシニア期の動物に関する基礎知識をはじめ、介護や病気などの知識を備えている専門家。
資格の組み合わせで注意すること
資格の組み合わせのパターンは無限にあります。しかし、資格は取得するだけでなく、取得してからどのように活かすかが重要であるため、取得を目指す資格は自分の業界や専門分野でのスキルアップやキャリアアップに必要なものであることが前提となります。資格が自分のキャリアと一致していなければ、その資格は真価を発揮することができません。自分のキャリアとは全く異なる分野の資格を取得し、その業界に新たに参入することはかなりハードルが高いため、キャリアアップの点からもあまり現実的ではありません。
また、取得を目指す資格は、顧客や市場のニーズやトレンドに沿った資格であるかも重要です。そもそも顧客や市場にニーズが少なければ、資格を取得しても十分に活かすことはできません。そのため、資格の組み合わせには顧客や市場のニーズやトレンドに応えることも大切です。しかし、重複する資格や分野がまったく異なる資格をただ羅列するだけでは、逆に評価を下げてしまうこともあるため注意が必要です。
資格の組み合わせで注意すること
- 目的を明確にする
- 自分のキャリアを有効活用する
- 市場のニーズとトレンドを追う
- 相互補完性を持たせる
- 重複しないようにする
効率的な資格の取り方の紹介
資格を効率的に取得するためには、まずは目標を明確にし、取得したい資格やその理由、期限を決める必要があります。資格取得への道筋を明確することができます。次に、学習計画を立て、日々の学習時間を確保します。また、時間を節約するために適切な教材や問題集など、効果的な学習教材や学習方法を選択することが大切です。そして、資格の勉強に着手したら進捗状況を定期的に振り返り、課題を明確化して改善点を見直しましょう。これらのポイントを意識しながら、自分に合った効率的な資格取得の勉強方法を見つけることが大切です。
効率的な資格の取り方
- 目標を設定する
- 学習計画を立てる
- 適切な学習教材と学習方法を選ぶ
- 定期的に振り返える
効果的な学習教材や学習方法の紹介
仕事を続けながら資格の取得を目指す場合、資格スクールなどに通うのがおすすめです。しかし、なかなかその時間が取れない場合は、通信教育やオンラインの通信講座がおすすめです。最近では種類や内容も充実しており、働き方に合わせた無理の少ない方法で資格の取得を目指すことができるようになりました。
ここでは、おすすめの通信教育・通信講座を2つ紹介します。
生涯学習のユーキャン
通信教育や通信講座といえば生涯学習のユーキャンです。流行語大賞やテレビCMなどで一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか?ユーキャンは60年以上もの長い歴史を持ち、資格取得から趣味実用まで幅広く豊富なラインナップで年間約60万人の人に活用されています。豊富な講座数とわかりやすい教材、そして充実のサポートがあるので、資格の取得を目指すのであれば間違いありません。
総合学園ヒューマンアカデミー「たのまな」
こちらも有名な総合学園ヒューマンアカデミー「たのまな」です。たのまなとは、ヒューマンアカデミーが運営する通信講座のブランド名です。豊富なラインナップで多種多様な資格や技術取得に対応しています。サポートも充実しており、資格や技術取得だけでなく、就職・転職サポート制度や開業・副業サポートなど、資格を取得した後までサポートしてくれるのが特徴です。
これからの時代に役立つ資格の紹介
就職や転職、キャリアアップの際、資格があればライバルに差をつけ人材市場をリードすることができます。しかし、取得する資格は何でもいいというわけではありません。自分の進みたい業界や業種の方向性に合わせて計画的に資格を取得する必要がります。さらに、時代のニーズやトレンドも考慮し、今求められている資格を取得して自分の強みにすることが大切です。ここでは、これからの時代に役立つ注目の資格をいくつか紹介します。
■金融系資格
近年、日本の公的年金制度が見直され、老後のマネープランが大きく変わろうとしています。さらに金融ブームも背景に、今後さらに成長とニーズの高まりが見込まれる分野の資格です。トレンドはやはりファイナンシャルプランナー(FP)の資格ですが、2級以上の取得を目標にして、まずは3級の取得を目指しましょう。
■医療系資格
高齢化社会が進む現代において、医療系は今後も安定した成長と一定のニーズが見込まれる分野の資格です。医療事務がおすすめですが、薬事関連では薬剤師や医薬品販売/登録販売者の資格の人気が高まっています。医薬品販売/登録販売者はドラッグストアで働く際に時給アップが期待できる資格です。薬学部でなくても通信教育で取得を目指すことができるのでおすすめです。
■介護系資格
医療系と同様に今後も安定した成長と一定のニーズが見込まれる分野の資格です。介護福祉士や介護事務、介護職員初任者研修などがおすすめです。
■キャリア系資格
定年後の再就職や転職を考えるのであれば、自分の専門分野でのキャリア系資格がおすすめです。これまでの自分のキャリアに一致した資格を取得することで、これまでの職種でのスキルや知識を証明するだけでなく、キャリアアップにも役立ちます。
自分に合った資格の選び方
これから取得を目指す資格を考える時、自分がどの資格を取得していいかわからない場合は、まずは自分の興味やキャリア目標などについて考えてみましょう。目標が明確になることで、自分に合った最適な資格を見つけることができ、充実したキャリアを築くことができます。
取得する資格がわからない場合に考えること
- 自分の興味や関心
- キャリア目標
- 自分の専門性
- 経済、時間的な要素
- 専門家やや経験者に相談する
■自分の興味や関心
自分が何に興味を持っているのか、どの分野に関心があるのかを考えましょう。自分が楽しみながら学べる分野の資格を選ぶことで、モチベーションを保ちやすくなります。
■キャリア目標
自分が将来的にどのようなキャリアを目指したいのかを考えましょう。選ぶ資格が、自分が目指すキャリアの要件や専門知識に合致しているか確認しましょう。
■自分の専門性
自分が得意とする分野やスキルを活かせる資格を選ぶことも重要です。自分の強みや特技を活かしながら資格を取得することで、将来的な競争力を高めることができます。
■経済、時間的な要素
資格取得には費用や時間がかかる場合があります。自分の予算や経済状況、取得したい時期などを考慮し、資格取得にかかる費用や学習期間を見極めましょう。
■専門家や経験者に相談する
自分に合った資格を選ぶ際、どうしても自分がどの資格を取得していいかわからない場合は、キャリアアドバイザーなどの専門家や既に資格を持つ人=経験者に相談することをおすすめします。専門家にアドバイスをもらったり、既に資格を持つ人に経験談を聞いたりすることで、より的確な選択ができます。
資格の効果的な組み合わせのまとめ
今回は、複数の資格を持つメリットやこれからの時代に役立つ効果的な資格の組み合わせになどついて紹介しました。資格の取得は自分のキャリア形成だけでなく、市場のニーズやトレンドなども考慮して慎重にプランニングする必要があります。資格の取得は自分の市場価値を高めるだけでなく、個性のアピールや生きる自信にもつながります。
しかし、資格は転職やキャリアアップだけが目的のツールではありません。資格とは、生きる上で有用な知識やスキルを身に付け、自分自身の人生を豊かにするために勉強した結果を成果として可視化したものです。大切なことは、勉強して学び続けること、そして、それを有効に活用することです。資格の取得が最終的な目標=ゴールではありません。
どの資格を取得していいかわからない場合は、仕事に関連するものでなくても、まずは自分の趣味や興味、関心事のあるもの中から勉強して資格を取得したのでもいいでしょう。理想の人生の実現を目指して、楽しく勉強して資格の取得に挑戦しましょう!