LINE(ライン)は、友だちや家族との重要なコミュニケーションツール(連絡手段)であり、もはや生活に無くてはならないSNSのひとつです。日本のLINE利用率は約80%を超えており、ほとんどの人が利用しているといっても過言ではありません。
毎日あたりまえに利用しているLINEですが、それだけにLINEには重要な個人情報がたくさん含まれています。そのため、LINEには個人情報の漏洩だけでなく、万が一アカウントが乗っ取られてしまった場合、自分だけでなく周りの家族や友だちにも被害が及んでしまうリスクがあります。
LINEを安全に使うためには、基本設定を適切にしてセキュリティを高める=重要な個人情報を保護することが必要です。そこで、この記事ではLINEを安心・安全に使うために知っておきたいLINEの基本設定を詳しくご紹介します。
- アドレス帳の同期で友だちを自動で追加しないようにする
- 電話番号で友だちに自動で追加されないようにする
- 他の端末からの不正なアクセス(乗っ取り)を防止する
- 自分のLINE ID検索をOFFにする
- 友だち以外からのメッセージを拒否する
- Letter Sealing(メッセージの暗号化機能)のONを確認する
- 外部アプリからの情報アクセスを制限する
- LINEへの個人情報の提供を制限する
- 文字認識用の写真の提供を拒否する
- QRコード(友だち追加用の2次元コード)を更新する
- プッシュ通知のメッセージ内容を非表示にする
- LINEに不正にアクセス(乗っ取り)された場合の緊急対処法
- LINEの基本設定、緊急対処法の一覧表(初心者向便利ガイド)
- この記事のまとめ
記事本編
アドレス帳の同期で友だちを自動で追加しないようにする
「友だち追加(ホーム画面の右上の人型のアイコン)」→「友だち(画面の右上の歯車のアイコン)」から、「友だち自動追加」をOFF(灰色)にします。この設定で自分の端末のアドレス帳(連絡先)に電話番号を登録している人を、自動的に友だち追加するのを防止することができます。
端末のアドレス帳に電話番号を登録している人を自動で友だち追加しては困る場合も多いため、必ず最初に設定するようにしましょう。
電話番号で友だちに自動で追加されないようにする
「友だち追加(ホーム画面の右上の人型のアイコン)」→「友だち(画面の右上の人型のアイコン)」から、「友だちへの追加を許可」をOFF(灰色)にします。この設定で相手の端末のアドレス帳(連絡先)から、自分を自動的に友だち追加する(させる)のを防止することができます。
端末のアドレス帳に電話番号を登録している人を自動で友だち追加しては困る場合も多いため、必ず最初に設定するようにしましょう。
他の端末からの不正なアクセス(乗っ取り)を防止する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」から、「ログイン許可」をOFF(灰色)にします。この設定で他の端末(PC、スマートフォン、タブレット、ウォッチなど)から、LINEへの不正なアクセス(乗っ取り)を防止することができます。
なお、この機能をOFFにしても、端末の買替えや故障・紛失などによる機種変更時のアカウントの引継ぎは可能です。
webログインの2要素認証をONにする
LINEをスマートフォンだけでなく、PCやタブレットなど複数の端末で利用している場合、ログイン許可の設定をすると他の端末でログインできなくなるので注意が必要です。
他の端末からもLINEを利用するのであれば、「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」から、「webログインの2要素認証」をON(緑色)にするのがおすすめです。
この設定は、ログインする時にIDやパスワードに加えて、登録したメールアドレスまたはLINEアカウントに届くワンタイムパスワードを入力することで、他の端末からの不正なアクセスを防止する仕組みです。
ログイン時に2つの要素(パスワードとワンタイムパスワード)が必要になるため、アカウントのセキュリティを高めることができます。
さらに、パソコンでLINEを利用している場合、ログイン画面内にある「自動ログイン」のチェックを外しておきましょう。
自動ログイン(オートログイン)は、ID・パスワードの入力が不要でログインできる便利な機能ですが、自分以外の人にパソコンが使われ、LINEに勝手にログインされてしまう恐れがあります。
そうした事態を防ぐためにも、自動ログインのチェックは外しておきましょう。
自分のLINE ID検索をOFFにする
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」から、「IDによる友だち追加を許可」をOFF(灰色)にします。この設定で不特定多数の知らない人(第三者)が自分のLINE IDを検索して、勝手に友だち追加するのを防止することができます。
知らない人に友だち追加されると、自分の「友だち追加(ホーム画面の右上の人型のアイコン)」→「知り合いかも?」に表示されるようになるため、知り合いを探す時などにまぎらわしかったり煩わしかったりする場合があります。
ただし、この設定をすると、知り合いに友だち登録してもらう時に相手からID検索ができなくなるので注意が必要です。しかし、知り合いに友だち追加してもらうには、「招待(SMSやメールアドレス)」や「QRコード」でもできるため、この設定をしても特に不便はありません。
友だち以外からのメッセージを拒否する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」から、「メッセージ受信拒否」をON(緑色)にします。この設定で友だち以外からのメッセージの受信を防止することができます。
SNSで知らない人からのメッセージは、煩わしいだけでなく詐欺や不正なサイトへの誘導などの危険があるため、必ず設定するようにしましょう。
Letter Sealing(メッセージの暗号化機能)のONを確認する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」から、「Letter Sealing」のON(緑色)を確認します。Letter Sealing(レターシーリング)とは、LINEで採用されているメッセージの暗号化技術(エンドツーエンド暗号化※)のことで、この機能によりユーザー同士のトークの内容が守られています。
なお、この設定はLINEのセキュリティ保護を強化するため、操作してOFF(灰色)にすることができません。
■【補足】エンドツーエンド暗号化とは?
エンドツーエンド暗号化とは、送信者と受信者以外の人がメッセージの内容を解読できないようにする通信方式で、サーバー上でもメッセージの内容は暗号化された状態で保存されます。
この機能は、メッセージの送信者と受信者がお互いにLetter SealingをONに設定することで、より高いセキュリティを持ったメッセージの送受信が可能となります。そのため、LINEではLetter Sealingの設定がONの状態(操作不可)で提供されています。
参考:LINE公式HP「ヘルプセンター」-「セキュリティー・プライバシー」
外部アプリからの情報アクセスを制限する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」→「アプリからの情報アクセス」から、自分のプロフィール情報へのアクセス権限を「常に許可」、「お互いに友だちの場合は許可」、「拒否」の3段階から設定できます。
友だちがLINEに連携可能な外部アプリ(例えばゲームアプリなど)に、自分のLINEアカウントの友だち情報へのアクセスを許可した場合、その外部アプリは自分のプロフィール情報(名前、プロフィール画像、ステータスメッセージ)へアクセスできる状態になります。
この設定では、そういった外部アプリからのアクセス権限を制限または拒否することができます。不要な個人情報の漏洩や不正利用が心配な場合は、必ず設定するようにしましょう。
LINEへの個人情報の提供を制限する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」→「情報の提供」から、「コミュニケーション関連情報」 , 「位置情報の取得を許可」 , 「LINE Beacon」, 「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」の4つを必要に応じてOFF(灰色)にします。この設定でLINEから収集されている自分の個人情報を制限することができるため、万が一の場合の個人情報の漏洩や不正利用を未然に防止することができます。
LINEはユーザーの属性(年齢・性別)や興味関心、位置情報や移動速度などの多くの情報を収集しています。そして、取得したそれらの情報を、ユーザーのニーズに合った広告の配信や位置情報に連動した情報の配信、不正利用の防止など、LINEのサービス向上に利用しています。
しかし、LINEに収集される情報にはプライバシーに該当するものも多いため、特に必要がない場合は、LINEへの個人情報の提供を必ず設定するようにしましょう。
■コミュニケーション関連情報で収集される情報
ユーザー同士のトーク(送受信相手・日時 , ただし、内容や画像・動画は対象外)、無料通話における情報(通話相手、利用日時、通話時間)、LINE VOOMの情報(投稿日時、閲覧時間・閲覧回数、内容 , ただし、公開範囲が「自分のみ」の投稿は対象外)、各種機能(取消機能、Keep機能、アルバム機能、位置情報送信機能 など)の利用に関する情報(各種機能を利用した日時)、webサイトの閲覧に関する情報(閲覧したURLに関する情報)、公式アカウントとのトーク(内容やデータの形式などを含むすべての情報 , ただし、官公庁、自治体などの機密情報を扱うアカウントは対象外)などのデータが収集されます。
コミュニケーション関連情報は、ユーザーのニーズに合った広告の配信や位置情報に連動した情報の配信、不正利用の防止など、LINEのサービス向上に利用されます。
■ 位置情報の取得を許可で収集される情報
現在位置と移動速度のデータが収集されます。位置情報を提供することで、大規模災害やそれに関する避難情報、現在いる地域の天気などの情報を受け取ることができます。
なお、位置情報はリアルタイムに共有や追跡されることはないため、自分から位置情報を発信しない限り、他のユーザーに知られる(バレる)心配はありません。
■ LINE Beaconで収集される情報
LINE Beacon(ビーコン)は、お店などが設置しているビーコン端末からBluetooth信号を受信する機能です。これを介して、お店のセール情報やクーポン、商品の詳細情報などを受け取ることができます。
なお、これらの情報はLINE公式アカウントを通じて受信されるため、LINE Beaconを利用するには事前にお店などのLINE公式アカウントを友だち登録する必要があります。
LINE Beaconでは、交信したビーコン端末の情報や通信日時などの情報が収集されます。しかし、位置情報がリアルタイムに共有や追跡されることはないため、自分から位置情報を発信しない限り、他のユーザーに知られる(バレる)心配はありません。
■ LINE公式アカウントAI機能での情報利用で収集される情報
LINE公式アカウントのAI機能とは、ユーザーからのメッセージ(質問や問い合わせなど)に対して、AIが内容を判断して自動で適切な返信をしてくれる機能=AIチャットくんです。
検索キーワード(Web検索機能を利用する場合)、送信したファイル(写真や文書ファイルの翻訳機能や写真の要約・質問回答機能を利用する場合)、送信したテキストやスタンプのキーワード(送信したテキストやスタンプなどからAIの回答を生成する場合)などの情報が収集され、第三者企業に提供されます。
AIチャットくんに情報を入力すると、個人情報やセンシティブな内容に関わらず、すべての情報がAIに送信されます。
LINEへ提供した個人情報を削除する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」→「情報の提供」から、「情報の削除」を実行します。この操作でLINEが取得したこれまでの自分の個人情報を削除することができます。
万が一の場合の個人情報の漏洩や不正利用が心配な場合は、この操作をするようにしましょう。
文字認識用の写真の提供を拒否する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」から、「文字認識用の写真の提供を許可」を許可しないにします。この設定で文字認識機能を利用して撮影した画像データの提供を拒否することができます。
なお、この設定をしても文字認識機能は利用することができます。
QRコード(友だち追加用の2次元コード)を更新する
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「プライバシー管理」から、「QRコードを更新」を実行します。この操作で自分のQRコード(友だち追加用の2次元コード)が更新されます。
QRコードを更新すると、古いQRコードは無効になります。そのため、古いQRコードが出回っても、知らない人から自分が友だち追加されるのを防止することができます。
しかし、知り合い(相手)があなたを友だち追加する前にQRコードを更新してしまうと友だち追加できなくなってしまうため、更新のタイミングには注意が必要です。
この機能は、例えばTwitterやInstagramなどで知り合った相手にQRコードの画像やスクリーンショットを共有し、LINEで友だち追加する場合などに役立ちます。QRコードを定期的に更新することで、自分のQRコードが不特定多数の知らない人(第三者)に見られたり、拡散されたりするのを防止することができます。
プッシュ通知のメッセージ内容を非表示にする
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「通知」から、「メッセージ内容を表示」をOFF(灰色)にします。この設定でメッセージが届いた時に端末の画面に表示されるプッシュ通知にメッセージの内容が表示されなくなります。
短時間の表示とはいえ、プッシュ通知によって誰からどんなメッセージが来ているのか見られてしまう危険性があるため、心配な場合は設定するようにしましょう。
LINEに不正にアクセス(乗っ取り)された場合の緊急対処法
万が一、基本設定の不備や情報漏洩などから自分のLINEのアカウントが不正にアクセス(乗っ取り)されてしまった場合、慌てずに次の操作を実行しましょう。
不正アクセス(乗っ取り)の状況を確認する
自分のLINEのアカウントに不正にアクセス(乗っ取り)された恐れがある場合、まずは不正アクセスの状況を確認しましょう。
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」→「ログイン中の端末」から、ログインしている他の端末名やログインからの経過時間を確認することができます。
自分のLINEのアカウントに不正なアクセス(乗っ取り)が確認できた場合、念のために確認画面をスクリーンショットで保存しておきます。
スクリーンショットで保存した画像があると、LINEへ通報(申請)する際に効率的にやり取りできます。
LINEのパスワードを変更する
自分のLINEのアカウントに不正にアクセス(乗っ取り)されてしまった場合、まずはパスワードの変更を試みましょう。「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」から、パスワードを変更することができます。
また、不正なアクセスを防止するためには、日頃から定期的にパスワードを変更するのが効果的です。
他のSNS(Facebookなど)や外部アプリとの連携を解除する
LINEを他のSNS(Facebookなど)や外部アプリと連携している場合、そちらにも被害が及ぶ可能性があるため、それらの連携を解除しましょう。
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」から、連携を解除することができます。
この他にも、Yahoo! Japan IDと連携している場合は、連携を解除するのを忘れないようにしましょう。
自分のアカウントを削除する←最終手段!
パスワードの変更などで自分のLINEのアカウントへの不正なアクセス(乗っ取り)が防げない場合、被害を拡大させないためにも自分のアカウントを削除するしかありません。「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「アカウント」から、自分のアカウントを削除することができます。
この時、自分のアカウントを削除する前に、LINEの「お問い合わせフォーム」から不正アクセスがあった旨を通報(申請)することで、購入したスタンプやコインなどを新しいアカウントへ移行することができます。
お問い合わせフォームは、「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「ヘルプセンター」から利用することができます。なお、お問い合わせする際に以下の情報を準備しておくと効率的にやり取りできます。
参考:LINE公式HP「ヘルプセンター」-「基本的な対処方法」
トークのデータをバックアップ・復元する
LINEのアカウントへの不正なアクセス(乗っ取り)や端末の故障・紛失など、万が一の場合に備えて、日頃から大切なトークのデータを定期的にバックアップするようにしましょう。
「設定(ホーム画面の右上の歯車のアイコン)」→「トーク」から、簡単にトークのバックアップ・復元をすることができます。また、バックアップ頻度を設定し、自動でバックアップするように設定することもできます。
LINEの基本設定、緊急対処法の一覧表(初心者向便利ガイド)
ここでは、これまでの基本設定、LINEに不正にアクセス(乗っ取り)された場合の緊急対処法について、わかりやすく一覧表にまとめました。
この一覧表を確認して、LINEを安心・安全に利用できるようにしましょう!
■ LINEの基本設定の一覧表(初心者向便利ガイド1)
■ LINEの緊急対処法の一覧表(初心者向便利ガイド2)
この記事のまとめ
今回は、個人情報を保護してLINEを安全に使うために知っておきたいLINEの基本設定の方法を詳しくご紹介しました。
コミュニケーションツールとしてはもちろん、LINE Payなど生活インフラとして毎日あたりまえに利用しているLINEですが、それだけにLINEには重要な個人情報がたくさん含まれています。
そのため、LINEを安全に使うためには、最初に必要な機能を設定してセキュリティを高める=重要な個人情報を保護することが必要です。
LINEをはじめたばかりの人だけなく、既にLINEを利用している人も、これらの設定を確認して、LINEを安心・安全に利用できるようにしましょう!